海を渡る

Personal work 2022.5.5
湊かなえさんのミステリー小説「絶唱」の装画を想定して制作

潮が引いた海を渡り、ウォレバ島へと向かう。

阪神淡路大震災によって、人生が一変してしまった女性4人の喪失と再生を描く号泣ミステリー。
収録されている短編「楽園」をモチーフに制作しました。

「楽園」のあらすじ 
震災によって、双子の姉、雪江を亡くした、妹の毬絵。
しかし、母親は、毬絵を雪絵として育てようとする。
雪絵として生きることを強いられ彼女は、高校で偶然知った南国トンガの風景に心奪われる。
二十歳になった彼女は、奪われた人生を取り戻すため、あの風景の場所へむかう。

明度設計~カラーラフ

当初カラーラフは「引き潮の浅い海」という本文の描写から参考画像などを基に水色の海面にしていました。しかし、描いてみると、水たまりや川を渡っているようにも見えたため、最終的には南国の海を連想させるエメラルドグリーンに修正して仕上げました。

以下のリンクに、文芸誌での挿絵を想定し、収録されている4つの短編「楽園」「約束」「太陽」「絶唱」の冒頭シーンをモノクロで描いています。